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建設系高校出前授業実践報告

担当教師名:山田 一登

高校名 愛知県立稲沢高等学校 農業土木科 1学年 27名
授業実施日 令和3年7月14日
実施場所 図書室
授業実施時間 9時55分〜10時55分 1時間
講師名 紀伊 保 氏
所属 矢作建設工業株式会社

授業内容:

「建設業界ガイドブック」の説明をしていただいた。
 建設業協会の石崎様から冊子の説明をしていただき、生徒たちは建物を建設するために多くの人たちが関わり1つの建物が作られていることを知った。生徒たちは将来の進路選択の1つとして考えることができた。
 「建設という選択」〜建設業の魅力、そして働く意識〜という題目で講話をいただいた。
講話内容

1 働くということ
「苦労と感動は振子と同じ」、「生きた証を残す」、「感動、感謝」、自分の持ち方1つでやる気が変わってくる。

2 建設業にまつわるエピソード
富士山レーダーは、つい最近まで使われていた。建設に携わった方の名前が刻まれている碑を見に行きたいと思った。新田次郎が気象庁の職員として建設に関係していることも知った。

3 建設業で働く意識とやりがい
建設業は決して楽な仕事ではない。苦労も多いけれどもその分建物が完成し、施主さんから褒められた時の感動は大きい。

4 おわりに
人間力とやり抜く力が必要。何事にもチャレンジ精神が必要である。

 生きるためになぜ働くかを教えていただいた。生徒たちは、日頃授業では見せない前向きな姿勢で聞いていた。とても充実した授業であった。

授業風景
写真3 写真4


高校名 愛知県立稲沢高等学校 農業土木科 2学年 26名
授業実施日 令和3年7月14日
実施場所 図書室
授業実施時間 10時55分〜11時55分 1時間
講師名 紀伊 保 氏
所属 矢作建設工業株式会社

授業内容:

「建設という選択」〜建設業の魅力、そして働く意識〜という題目で講話をいただいた。
講話内容

1 働くということ
意味づけが大切。意味づけなしの場合は成果も成長もない。周りの人たちに役立つと意味づけをするだけで自分を成長させることができる。何事もポジティブに生きていくことが重要である。

2 建設業にまつわるエピソード
富士山レーダー観測所建設工事では、建設業に携わる方々の努力と誇りが成功へと導き、我々の生活になくてはならない施設を作り上げた日本人の技術者のすごさに感動した。

3 建設業で働く意識とやりがい
@地図に残せる仕事、A地震や災害から人々を守る仕事、B多くの人が力を合わせて1つのものを作り上げる。建設業は、私たちの生活に必要なものを作り上げている。皆さんから喜ばれる仕事である。

4 おわりに
学生のうちにやっておいたほうがいいことは、「本気で挑戦すること」である。

 生徒達はとても興味深く聞き、感想では「将来が楽しみになった」、「社会人になると辛いこともあるが逃げずにがんばりたい」など、前向きな意見が多かった。

授業風景
写真1 写真2


出前授業 生徒感想文 「出前授業の感想」

農業土木科

 私は、建設現場は場所を選ばないと思いました。伊勢湾台風の大災害から、富士山の頂上に富士山観測所を建設することが社会要請であった。その当時としてはもの凄い計画であったに違いない。私は3年間かけて無理難題なプロジェクトをやり遂げたことを聞いたとき目が潤んできました。1年目は、馬を使い山頂まで物資を運搬しようとしたが8合目までしか馬は進まず、8合目より上に上げるため、鞭で叩いても進まず馬が涙を流していた話を聞き動物でも嫌がる程の空気の薄さに建設することは、過酷な現場だなあと思いました。馬が行こうとしないため、8合目からは人力で運び200mを何度も行き来し、作業の出来ない時は小屋で休むという生活が1年ほど経過したとき、ショベルカーを使って、山頂まで進めることができたため、運搬作業がはかどり3年目にはすべての運搬が終わった。最後は、レーダードームの骨組みをヘリコプターで山頂に上げる作業があったが、骨組みの重量が大きいため上げることができないという問題に直面した。旧空軍のパイロットの方と試行錯誤をして無事、骨組みを山頂に上げることができ富士山観測所を建設することができた。昔の技術者は、才能に溢れる人たちが多く全員が一致団結し造るんだという思いが、富山の頂上に富士山観測所を建設することができた。私も将来建設業に携わりたいと思っている。この授業を通して、最後まで諦めずに物事をやり遂げるような人になりたいと強く思った。


農業土木科

 「建設という選択」と題してお話を聞いて、私はとても感動した。紀伊さんの話は、建設土木の仕事は、「苦労した分だけ感動が大きい」と話をしてくれました。自分に与えられた仕事について「意味を持って働く」か「意味を持たずに働く」かの違いについては、部室の掃除を例に話をしてくれました。その話を聞いて、私はびっくりしました。中学校の時、まったく同じ経験をしたからです。その時の私はまったく意味を持たず「なんで自分がやらないといけないのか」と強く思い、掃除も適当にやっていました。今回のお話を聞き意味を持って自分が働く事で、汗水たらし一生懸命やった時の感動と相手に大きな感動を与えることができる。それが「振子の理論」であると教えていただき、私はすごく納得しました。今後、少しでもいいから何かをやることで自分自身を前向きにポジティブに行動したいと思いました。最後に授業の中でもっとも感銘を受けた事は、もし出来ない仕事を頼まれたとしても「元気よく返事」をすることである。失敗しても「次は頑張れ」や「ここはこうだ」と教えてくれる先輩や仲間が必ずいる。私は今後、何か頼みごとをされた時、私は笑顔で元気よく返事して、可愛がってもらえるような人を目指していきたいです。


農業土木科

 紀伊さんが鉄道工事の現場監督としての失敗談は私の印象に残りました。鉄道のレールが10mmずれていることで、工事のやり直しを施主から言われた。その時の職長に抗議したら、めちゃくちゃどなられたそうです。もし、自分が紀伊さんの立場だったら、そこで諦めてしまっていたと思います。紀伊さんはそこで折れずに工事の職人さんに謝りながら、再度軌道工事をしてもらい、検査で「合格」といわれた時の感動と始発車両が通った時の感動の話は、聞いている私たちも目に涙をするぐらいの感動する話であった。また、建設業でのエピソードでは、富士山レーダー建設のプロジェクトの話であった。日本の技術者の人たちが困難な地形に立派な気象観測所を造り上げることに成功した。紀伊さんも含め、建設業で携わっている人たちは、自分の仕事に誇りとやりがいをもって取り組まれている。しかし今までの自分を振り返ってみると、自分は、先生に仕事をまかされても、文句ばかり言っていやいや仕事をしていました。私は紀伊さんの話を聞いてから、自分はこのままでは、だめだと強く感じました。これからは、仕事をまかされたら、やりがいを見つけ、言われたことを素直に行動できる人間になれるように日々の生活をしていきたいです。そして、自分の将来の就職先として建設業も1つの進路として考えたいと思っています。


農業土木科

 建設業協会の石崎さんと矢作建設工業の紀伊さんが授業をしてくださいました。私は建設会社に入り設計がしたいと考えていたので、現場の人たちの話が聞けてとても参考になりまました。
 話を聞いて最も印象を受けたのは、現場の人たちが感じる建設の魅力です。私が建設会社に入りたいと思った一番の理由は、構造の工夫やデザインの芸術性に魅力を感じているからです。しかし実際に働いている人たちは、「自分の造ったものが、地図や街に残り続けること」や「自分の名前を残すことができること」に魅力を感じていると聞きました。それは今までの自分にはない考え方で、とても参考になりました。他にも建設業界で必要な能力についての話も参考になりました。建設業界ではコミュニケーション能力が大切ですが、自分はコミュニケーションをとるのが苦手です。しかし、それは社会に入らないと身につかないもので、今から身につけることができるのは、素直になることだと言っていました。素直になることは自分にとってコミュニケーションほど難しくないので実践してみようと思いました。今回の授業で学んだことを生かして、将来に向かっていきたいです。


農業土木科

 私は、紀伊さんの話を聞いて、建設業界の大変さと魅力を知りました。私の性格は、すぐに何事にも挫折してしまいます。ですが話を聞いて目の前のものに、本気なって取り組むことが大事だとわかりました。建設業界で働く人たちは、夏の暑い日も冬の寒い日も毎日のように仕事していると知って、とても辛くて大変な仕事だと思いました。ですが紀伊さんは、とても辛くて大変な仕事だからこそ、自分が造ったものが完成したときの感動が物凄いと言っていました。初めて仕事をする時には、誰でも自分で勉強したり、周りの先輩方に聞いて教えてもらう。先輩から教えてもらうためにはコミュニケーション能力や先輩方に何か頼まれたときに、元気よく返事をしたり、頼まれたことを本気でやることで、自分のやる気をアピールすることも大切だと感じました。そして、建設業界の最大の魅力は、自分が造ったものが形として残ったり、自分が造ったもののおかげで色々な人々が幸せになったり、何かと便利になったりすることだと言っておられました。私もこの授業を通じて、部活や勉強など目の前の事に本気になって取り組んでいきたい。本日はありがとうございました。


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