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令和元年度 建設系高校現場見学会

※アンケート結果は、「こちら」をご覧ください。

担当教師名:箕田 知之

高校名 愛知総合工科高等学校 建設科 3学年 38名
授業実施日 令和元年6月11日(火)
見学現場@ 徳倉建設株式会社
衣浦東部流域下水道事業水処理施設築造工事(その6)
見学現場A 太啓建設株式会社
一般国道301号(松平バイパス)道路改良工事2号工

実践報告:
 本校の3年生にとってはじめての現場見学であり、期待を持って参加させていただきました。
 衣浦東部流域下水道事業水処理施設築造工事では、工事現場の説明・見学と合わせて、危険予知を目的としたVR(バーチャルリアリティ)を体験させていただきました。生徒たちの多くが関心を持って体験するとともに、建設現場での危険予知の重要性を再認識することができました。また、最近授業で学習した内容と関連した部分についても説明もあり、理解が一層深まったのではないかと思いました。
 一般国道301号線(松平バイパス)道路改良工事では、ICTを活用した安全かつ効率的なバックホーの掘削作業など、最新の建設機械の紹介に生徒たちも興味・関心を持て説明を聞いていました。また、今回の現場が地域に与える影響についても説明があり、「地図に残る仕事」として、責任の問われる仕事ではあるが大きなやりがいのある仕事であることを生徒たちが実感しているように感じました。
 今回の現場見学では、生徒が日頃学習している内容を間近で見ることができるなど大変貴重な経験となりました。また、建設業協会の方々には工事現場の手配から生徒の移動や昼食の手配まで配慮していただき大変感謝しております。今後も建設業を支えていく人材を育成していくためにも、生徒たちに建設業の魅力を伝えていきたいと思います。

見学風景
見学写真1 見学写真2

現場見学会 生徒感想

建設科 3年

 最初の現場では、作業員のみなさんが安全に作業できるようにさまざまな工夫が現場で見ることができました。ひとつは、VRで事故に遭ったシミュレーションを受けさせる事です。私は、土砂に生き埋めになる事故を体験しました。埋もれてしまった後なぜ、どうしてそのような事故が起きたのかについての解説とそれを防ぐための方法をVRがおしえてくれましたのでとてもわかりやすくてイメージがつきやすかったです。全く現場経験や重機の知識が少ない人でも身を持って体験できるのはとてもいい工夫だと思いました。ふたつ目は現場のあちらこちらにあるラミネートされた標識です。熱中症防止を呼び掛けるものや足場などでは、整理整頓、危険の文字他にも、種類があり現場全体が安全第一でした。これなら作業員の意識も高まり事故も起きることなく作業ができるなと思いました。
 次に見学した現場で感じたことは、国道が少し変わるだけで渋滞が緩和、高速道路へのアクセスが向上、緊急輸送道路の確保により災害に強くなる、地域活発に貢献など環境が変わるとこんなにも変化があるのが驚きました。そして、地域が変わってしまうぐらいやりがいがあって大変な仕事だなと感じました。「地図に残る仕事」とおっしゃっていてカッコいいなと思いましたし私の父も土木の仕事をしているので煌びやかな仕事ではないし正直あまり良いイメージはなかったのですが今回のお話しを聞いて見えない所で私達の生活を支えていて見えない所で私達の将来、未来の生活まで支えている仕事と思えるようになったのでいい経験になりました。
 私が将来就きたい職業は地図には残らないですが誰かの心に残る仕事ができたらいいなと思いました。


建設科 3年

 徳倉建設株式会社さんでは、健康面などをとても考えていて事務所の前にはその日の気温・湿度、また熱中症になりやすい確率を段階に分けて記して掲示しており、社員の体調管理を徹底しているんだなと思いました。また、社員の方だけではなく見学に来ていた僕らのことも気にかけてくれていて、「生徒さんが倒れないように気にかけてあげといて」という会話が聞こえて素直にすごいなと思いました。暑い中でも仕事ができるように個人はもちろん会社全体で対策をしていてこういう少しの気遣いが事前に事故を防いでいるんだと思いました。費用をどれだけ抑えられ、予定の工期に間に合わせるだけではなく、こういう健康面でもしっかりと考えられる会社が増えていってほしいし、僕自身もぜひこういう会社で働きたいと思いました。
 次に見学させてもらった太啓建設株式会社さんでは、道路工事の見学ということで僕らが普段当たり前のように使っている道やトンネルというものがどのように造られているのかを知るいい機会になりました。実際の現場では僕が考えている以上に様々な工夫がされていて、普段は僕も建設科として色々学んでいるつもりでいたので現場に行っても多少は分かるだろうと高を括っていましたが、知らないことのほうがむしろ多いくらいでそんな風になっているんだと驚くことばかりでした。現場の方もとても良い方ばかりで、お忙しい中なのに質問をした時も嫌な顔を一つもせずにむしろ快く答えて頂いたり、気さくに話しかけて来て下さったりと、とても感謝することばかりでした。僕らが普段何となく使っているものはこういう様々な技術や苦労のおかげで成り立っているということをこの現場見学を通して学ぶことができたと思います。


建設科 3年

 現場では、熱中症対策への呼びかけの張り紙や開口部・段差・消火栓など様々なところに表示が細かくされているので現場に初めて行った人でも物・設備の場所がすぐに分かるし、段差などにも気を付けられるような配慮がしてあるので、ここまで徹底したら安全に作業ができると思いました。また、環境にもきちんと配慮して濁水を処理していたり、ICTを使って作業の正確性や生産性を向上させていたり、自動で測量をして、しかもそのデータがスマホに入るようにしていたり…どんどん建設業界が変わってきているのだと感じました。ですが、企業の方が女性用のトイレや更衣室をアピールしているのを聞いて、やはり女性が建設業界で働くことは難しいのかなと感じました。今の建設業界は女性の社会進出が進んでいるものの女性用のトイレ・更衣室があるのが特別、珍しいという感じが伝わってきました。なので、早く女性用のトイレ・更衣室の設備があることが当たり前の職場・業界に変わっていってほしいと思いました。
 この現場見学を通して、普段では絶対に近くで見ることのできない杭を挿入している様子や大きなバックホウが動いているところが見られてうれしかったです。また、土木施工や建築施工の授業で学んだことを自分の目で見ることができ、とても勉強になりました。でも、現場に行ってみて初めて知ることもたくさんあったので、もっと建設のことを学びたいと改めて思いました。


建設科 3年

 私は校外学習として、徳倉建設株式会社さんと太啓建設株式会社さんの二社が、主として施工している建設現場へ見学、体験させていただきました。
 私は徳倉建設株式会社さんの現場で、事故に遭う瞬間を想定したVR動画と、実際に組まれている足場へと行き、どのような感じなのかを体験しました。事故を想定したVR動画は、墜落災害や飛来・落下災害、土砂崩落災害などといった10項目による事故の映像が用意されており、私はその中の墜落災害と重機巻き込み災害の2つを見ました。墜落災害は足場の事故の解体のときであり、作業の中での事故ではありませんでした。そのため、安全を得るための安全帯の使用を怠ったために起きた事故でした。作業をする、しないに関係なく、現場にいるときには安全第一の行動をとることが求められると感じました。重機巻き込み災害は、私が普段目にするときは静止した状態であるか、遠くの方で動いています。しかし、現場に入るとすぐ近くに立つことになるので、重機が動いているときは、静止しているときよりも、圧迫感があり、とても危険だと感じました。実際の現場を体験したときは、足場の布枠が少しグラついたり、幅の間隔が実際に立つとどれほどのものか、また、安全にけがをしないために足場の枠組みの緊結部分にゴム製のカバーをしたりなどがしてありました。ですが、それは私達がいるためであって、実際はほとんどしてありませんでした。実際に現場の人が材料を持って通行していたとき、とても狭そうに見えました。そのため、通行する際には、金具や鉄筋などに引っかからないよう注意しながら通る必要があると思いました。
 太啓建設株式会社さんの現場では、道路の道のりを短くまたスムーズに車が通行できるように、新たな道路を設ける工事が行われていました。今まで使用している道路がカーブの多い道であったり、道幅が狭かったりして、とても走りにくい。そのため、カーブを少なくしたり、道幅を広くした道路が必要となったため設けられるようになりました。また、その他にも、地域にトヨタ自動車さんの試運転場が近くにあることから、交通へのアクセスが多いという、周囲の環境のためという理由がありました。道を作ることは言うだけであれば簡単ですが、実際では莫大な費用が掛かかります。また、人手といったことでも多くの人が出入りしますので、道を作ることに至るまで、本当に必要なのか、何を目的とするのかをはっきりさせる必要があるのだと感じました。こちらの現場で見た感じでは、先ほどの徳倉建設さんよりも重機の台数が多いように見られました。おそらく、一つ一つの作業の工程が大きいからだと思います。掘削する土の量の多さ、斜面の崩落を防ぐための鉄筋を入れるための穴あけなど、規模の大きな作業が行われているからだと思います。ですが、規模が大きくなるにつれて、安全への配慮はより徹底しないといけないと思います。なぜなら、規模が大きくなるほど、けがや事故の起こる可能性が上がるからだと私は考えています。
 私はこちらの建設会社さんが施工している実際の現場を見学、体験させていただき、とても充実した時間を過ごすことができました。授業では実感できない経験をさせていただきました。この経験は必ず、私が就職して現場へと赴くための重要な糧となります。このような機会を設けていただき、ありがとうございました。


建設科 3年

 危険予知トレーニングとしてVRの事故体験映像をみせていただいたけど、自分の頭に機械が合わず映像が途切れてしまい事故体験できませんでした。頂いた資料を見ていると、ちょっとした不注意や慣れ、油断が大きな災害につながってしまうんだなと感じました。なので、いつでも自分が事故に巻き込まれるかもしれないという危険が伴っていることを自覚しながら緊張感を持って作業することと、自分から事故の原因になる状況を作り出さないことが工事中の事故を減らし、無くしていくために大切なことだと思います。そして、作業現場を実際に見て、施工管理の授業で習ったことがたくさんあって、実際に目にしてみて理解を深めることができました。
 次に行った現場は、規模の大きい土木工事現場で、土木工事は地域との連携が重要だと感じました。行かせていただいた現場は、現場のまわりが住宅街で、掘削する斜面が急になってしまうため斜面が崩壊しないようにするために鉄筋を挿入すると聞いて、現場ごとに条件や状況が違う中で、その現場に一番適した手法や工法を選ばなければいけないし、管理していかなければならない現場監督さんの仕事の大変さを感じました。建築工事より大規模な工事で、家やビルといった特定の人に利用されるというよりは、日本に暮らすすべての人のために仕事をしているという雰囲気があって自分がいつも生きている空間はたくさんの建設作業員さんの上に成り立っていることを実感したので、生きている環境に興味を持ちながらいろいろなことの理解を深めていきたいと思います。


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