年頭のご挨拶
 
年頭所感

財団法人 建設業振興基金

理事長 内田 俊一
内田 俊一

 明けましておめでとうございます。
 平成24年の新春を迎え謹んでお慶び申し上げます。
 昨年は、地域社会や暮らしの基盤と絆を根こそぎ破壊した「東日本大震災」の惨事を目の当たりにして、私たち日本人がその生き方を根本から問われた年でした。そして、リーマンショックからようやく立ち直りかけた日本経済は内外の災害やEUの深刻な財政・金融危機のあおりを受け再び将来への不透明性を増しています。
 迎えた新しい年も、被災地の復興と先の見えない原発事故への対応は待ったなしであり、経済の再生、社会保障と税の一体改革、TPPへの参加問題など難題山積です。私たち日本人が心を一つにして課題に立ち向かい、今年こそ一歩ずつ未来に展望が開かれていく最初の年にしたいものだと願っております。
 建設業界とりわけ地域の建設業界は、仕事をとればとるほど身が細り、職人さんたちの労働条件や賃金もますます悪くなってくという悲惨な状況に苦しんでいます。会社も、団体も、そして行政もこうした状況を一刻も早く打破しなければと、懸命に取り組んでいるもののまだ曙光は見えません。しかし、一方で大震災、台風、集中豪雨、そして、豪雪、口蹄疫被害など地域を襲う様々な災厄に際して、地域を守る建設業という姿が明確になってきました。この姿を的確に国民に伝え、建設業への共感を拡げていく、そして建設業界の取組を後押しする大きな力にしていく、今年の重要な取組課題になりそうです。
 当基金は、行政と連携して建設業の構造改善と振興を幅広く応援する唯一の専門組織として、昭和50年の設立以来、各種事業に取り組んで参りました。建設業界が大きな危機に直面しているさなか、当基金は一般財団法人への移行という大きな転機を迎えます。この機に、建設業界へのお役立ち度を倍増させるという目標を掲げ、建設業振興基金「C&C(変化と挑戦)2012」という取組を昨年より進めています。
 @下請セーフティーネット債務保証等の金融支援事業 A各種の構造改善事業 BCI-NETの普及等による情報化推進事業 C建設業経理士検定試験等経営力向上の支援 D建築及び電気工事施工管理技術検定試験や管理技術者講習等技術力向上の支援等基金の事業を原点に返って点検し見直すこと、建設業振興の専門家として職員のスキルと知見を高める事など建設業振興基金のパワーアップに今年は本格的に取り組んで参ります。
 最後に、皆様のご多幸とご健勝を祈念申し上げまして年頭の挨拶とさせていただきます。