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全国建設業協会会長年頭所感

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令和4年 年頭所感
一般社団法人全国建設業協会
会長  奥村 太加典

 令和4年の新春を迎え、謹んで年頭の挨拶を申し上げます。
 平素は、全建の事業活動に対し格別のご支援・ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 昨年を顧みると、一昨年より続く新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、わが国でも1日の新規感染者が全国で2万5千人を超える深刻な状況に陥り、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による社会経済活動の制限が長期化するなど、感染拡大への対応に追われる1年となりました。
 一方で、1年の延期を経て開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」は、ほとんどの会場で無観客開催となったものの、世界中から集まった多くのアスリートやパラアスリートによる延べ30日にわたる熱戦が各地の競技会場で繰り広げられ、その活躍は世界中の人々に勇気と感動、そして希望をもたらし、コロナ禍で混乱が続く厳しい社会情勢の中、明るい話題となりました。
 10月以降は、わが国でもワクチン接種など様々な対策が功を奏し、感染状況に落ち着きが見られつつありますが、感染力の強い新たな変異株の感染拡大が懸念されるなど、新型コロナウイルスとの闘いは長期化が避けられないと見込まれています。
 ウィズコロナの状況においても社会経済を活性化させるためには、感染防止対策や医療体制の充実とともに、未来を切り拓くための成長戦略として、積極的な財政出動による公共投資を機動的に推し進めることで、内需を振興し、雇用を拡大することが不可欠です。
 また、気候変動の影響により近年自然災害が頻発化、激甚化しているなか、昨年も記録的な大雨により、7月に静岡県熱海市で大規模な土砂災害が発生したほか、8月には全国各地で河川の氾濫に伴う橋や道路の崩壊が発生し、尊い人命や貴重な財産が失われました。
 このような大規模な自然災害などに屈しない強靭な国土づくりを目的として、昨年4月から政府が新たに「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に取り組んでいます。これまでの3か年緊急対策より実施期間や予算規模、事業範囲が大幅に拡充されており、防災・減災、国土強靭化の取組の更なる加速化・深化が図られることを期待しております。
 地域建設業は、これまで人々の安全・安心を守る「地域の守り手」としてその社会的使命を果たしてまいりましたが、来るポストコロナの新しい時代においては、「新しい地域の創り手」として、人々が豊かで持続可能な生活を営むために必要な社会生活基盤づくりの担い手としての役割も務めていかなくてはなりません。これからもこれらの使命を果たしていくため、社会資本の整備が計画的かつ安定的に推進されるよう政府や関係機関に広く訴えていくとともに、経営基盤の強化や、担い手の確保・育成、生産性向上、働き方改革など、克服すべき諸課題の解決に積極的に取り組んでまいります。
 本年も、全建は47都道府県建設業協会並びに会員企業の皆様方と一体となり、地域建設業発展のため全力で取り組む所存でございますので、ご理解とご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。  結びになりますが、皆様方の益々のご多幸とご健勝を祈念いたしまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。



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