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【全建】会長年頭所感

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平成27年 年頭所感
一般社団法人全国建設業協会
会 長  近藤 晴貞

 平成27年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 平素は、本会の事業活動に対し格別のご支援・ご協力を賜り、改めて厚く御礼を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、我が国の経済は、自民党・安倍政権の安定した政権運営や「アベノミクス」効果から、行きすぎた円安に懸念はあるものの、株価は大幅に回復をみせ、長年の懸案であったデフレ経済からの脱却の兆しが見え始めています。
 我々建設業界においても、東京オリンピック・パラリンピックの開催を2020年に控え、地域的な偏りはあるものの建設市場は活性化の気配を見せており、6月に国土強靭化基本法に基づく基本計画が閣議決定されたのに加え、7月には「国土のグランドデザイン2050」が策定されるなど、我々が渇望してきた将来を予測できる安定的な公共事業計画を策定する土壌ができつつあるように思われます。

 また、昨年における建設業にとっての最大の出来事は、品確法などいわゆる「担い手3法」の改正であったと思います。将来にわたって公共工事の品質を確保するため、その担い手である建設産業における人材を中・長期的に育成・確保していくことが重要であり、これを実現するために受注者が適正な利潤を確保できるよう適正な予定価格を設定することなどが発注者の責務として明記されたことは、画期的なことです。地域の建設業が、社会資本整備の担い手として、また地域の守り手として、将来にわたって必要不可欠な存在であり、この役割を継続的に果たしていくためには、地域建設業の経営の安定化が何より重要であることが改めて確認されたものであり、全建は、都道府県建設業協会と一丸となって、全ての発注者にこの責務を全うするよう求めていく所存であります。
 一方で、受注者の責務とされた技術者・技能者の育成・確保や賃金、安全衛生等の労働環境の改善についても、我々は全力を挙げて取り組まなければなりません。全建では、現在「将来の地域建設産業の担い手確保育成のための行動指針」の策定準備を進めており、今後はこの行動指針を基本とした取組みを加速することとしています。

 我が国の建設技術・技能は世界に誇るべきものです。また、昨年も、豪雪、豪雨による土砂崩れ、火山噴火、地震など数多くの自然災害が発生しましたが、そのたびに我々建設業は応急復旧活動等に懸命に対応し、昨年11月に放送されたNHKのニュース解説番組では「日本の建設業の災害対応力は世界一である」との評価をいただきました。本来、建設業はやりがいと誇りに溢れた産業です。平成27年は、建設業が長く厳しい時代を脱し、「若者が夢をもって将来を託せる産業として再生する」過程における飛躍の年となるよう、各都道府県建設業協会並びに会員企業の皆様方をはじめ、関係各位と一致団結して諸課題に取り組む所存でありますので、ご理解とご支援のほどを何卒よろしくお願い申し上げます。
 最後になりますが、皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。



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